磯輪日記

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郷土史


 

みなさん、模擬原爆って知ってます?

原爆投下訓練用に開発されたもので、長崎に投下された原爆と同じ形で、重さも同じ

爆弾です。  違いは、原爆ではウランやプルトニウムが詰まっていますが、模擬原爆

には通常の火薬が詰め込まれている点です

なぜアメリカはこんなもの作ったのでしょう?  それは、長崎に投下された原爆は、

こんな風にズングリムックリの形だったため、正確に目標に投下することが難しいと

危惧し、目標への命中精度を上げる予行演習投下のために作られたそうです。

 

その模擬原爆。日本各地に全部で49発投下されました。 その中で、最多の4発を投下

された町が春日井でした。 春日井への投下は広島、長崎への原爆投下が済んだ、

敗戦を翌日に控えた8月14日のことだったそうです。原爆投下はもう完了しているので、

普通に考えたら、予行演習は不要です。 それなのになぜ?

 

それは、総重量で1万ポンド分の爆薬を、たくさんの小型爆弾で落とすか、1発の

1万ポンド爆弾で投下するか、将来の戦争に備えて、どちらが効果的(?)かを確認

するためのテストでした。

 

戦後すぐ、アメリカから調査団がやって来て、模擬原爆投下地を実地検分したそうです。

その結果、模擬原爆による攻撃は非効率と判定され、以後、使用されることなく、

存在そのものも機密として、封印されました。

 

 

春日井に投下された4発の模擬原爆は、すべて王子製紙さんの春日井工場さんが

標的だったそうです。というのも同地は戦前は 当時は名古屋陸軍造兵廠鳥居松製造所

鳥居松工廠)でした。 今、愛知県春日井市と言えば、王子製紙さんですが、当時は

軍需工場だったとは、不覚にもまったく知りませんでした。

しかも、春日井に模擬原爆を投下したB-29は、広島を攻撃した、あの「エノラ・ゲイ」

だったそうです!

 

超大型爆弾か、多くの小型爆弾。 どちらがより効果的かのデータを取るために4発のも

模擬原発を投下するとは・・・

戦争って、本当に悲惨で、理不尽だし、非人間的ですね。