
今日は、メチャクチャ長文のブログです。覚悟して読んで下さい。
名刺って、日本のビジネスパーソンにとっては自分の顔のようなものです。
その自分の名刺、もうちょっとすてきなデザインにできないかな~と、前から
気になっていました。
そこで、私専属(と私は勝手に思っています)のカラーコーディネータのりつさんに、
「カッコいい名刺デザインしてくれませんか?」
と以前からお願いしていました。でもりつさん、最初は、
「自分は色の専門家であって、デザインは・・・」
と二の足を踏んでいたのですが、私が色に関係ないプロジェクトを次から
次へと依頼し、それを実に見事に成し遂げてくれます。
実際、わが社の今年度の採用サイトは、コンセプト作りからすべてりつさんが
ディレクタとして取り仕切ってくれました。この完成度の高さはりつさんの
力がとても大きいのです。
そんな経緯があったので、昨年の秋頃、逆にりつさんの方から、
「そろそろ社長の名刺もがんばります」
なんていううれしい連絡が入り、そこから名刺のお色直しプロジェクトが
スタートしました。
一番初めに次のような二つの案が生まれてきました。

この案の背景について、りつさんは次のように説明しています。
> ●輪のモチーフについて
>
> 会社のロゴとは別に、何か幾何学模様でモチーフを使えないか
> 考えていました。
> また、以前に社長がブログに書いていらした「磯輪」姓の由来の話も
> 再読しました。
> 日本の伝統的な柄の中にはとてもシンプルな幾何学模様があるので
> 何かISOWAの理念と通じる意味合いのものはないか?と考えました。
>
> そのようなことを取り留めなく浮かべてはしぼれずにいたところ
> 「家紋」がひらめき調べてみることに。
>
> 「輪」に注目してみました。
> 輪紋というのは数々の紋章の中でも特別なものです。
> 輪は和に通じるといわれ礼儀を重んずることを表します。
> 同じ紋でも輪に囲まれたものとそうでないものがありますが
> 内容は同じです。
>
> 輪のデザインによって本流・支流の区別をするのにも
> 使われたり、デザイン化されていきます。
> 輪そのものが独立して使用されるようにもなります。
>
> 輪の数のバリエーションも多様です。
> ふたつの輪が交差した「輪違い」、三つの輪の「三つ輪違い」。
>
> 「三つ輪」は天・地・人の三つがうまく組み合わさっている「和」
> の状況を示すといわれます。
> 「輪違い」は寺院などでは
> “人は一人で生きるのは難しい。二人以上互いに手を組んで生きて
> いくこと。輪違いは仲良く手を組むこと”と説明するそうです。
>
> 以上は丹羽基二さんという専門家の本の受け売りです。
>
> そこで、複数の輪を組み合わせているデザインは複数の価値観(理念)の
> 融合を表していると解釈しました。
>
> 「スピードと対話」 にしても、その両輪があって(株)ISOWAの
> 個性へとつながっていきます。
>
> もうひとつは、地球のイメージです。地球の球=輪です。
> 「夢を世界に」「世界一の社風」「ISOWAが止まれば世界が止まる」
> 世界=地球で仕事をするISOWAのイメージです。
>
> まとめますと、私がこのデザインで「輪」に込めたものは次のようなことです。
> ・輪は和に通じる。和は人と人のつながり。チームワーク。
> ・輪が連なるのは複数の理念・価値観の融合をイメージしている。
> ・うまく組み合わさったときに輪は次の大きな価値(和)を生む。
どうでしょう、この堂々たるコンセプト。感激、感服でした。
それに対して、私の方から、
デザインとして見ると、私は裏面に採用されている 「三つ輪違い」
(右側案)の方が好きです。何か機械の図面の様でもあり、バランス
的にもすっきりしています。
一方表面の「輪違い」(左側案)は、何かしっくり来ません。
何故だろうと思うのですが、ひょっとすると完全な輪がひとつもない
ので、2つの輪が輪を想像させないということがあるのでしょうか?
また上部にだけのデザインで、輪と文字情報が融合していないような
気がします。
ただ逆に、3つの方は、輪と文字情報が重なり過ぎてしまって、文字が
判読しにくいという欠点も感じます。
でもデザインとしては3つ輪がすてきです。
と連絡したところ、
> デザインの輪の処理ですが、実は私も裏面の方が
> 気に入っています。ご指摘よくわかります。
> 表面は情報量が多いので輪の一部だけを見せるデザイン
> にしたのですが、もう一度「(三つ)輪違い」モチーフが
> 生きるように考えてみます。
との返信があり、程なく届いたのが、

これに対して私から、
これならどちらのパターンでも『輪』と分かりますよ。
どちらの輪が良いかということについては、A案(左側)の方が好きです。
バランス的に落ち着いているということと、実際の機械のロールの
配置に近いという、二つの理由からです。
そうして次に出てきたのが、
C案

D案

D案は、名刺を表、裏と並べると、輪がつながるというアイデアです。
私からは次のように返事しました。
C案、D案ありがとうございました。
まずは文字がすべて中央にあったA案、B案より、新しい2案の
方がすてきです。
両案の表面をまず比較すると、
・輪のバランス、配置
C案の方が何となく機械のイメージがする
・文字が一方向に揃っていなくて斬新さがある
片側そろえというのは時々見ますが、両側そろえと
いうのは見たことがない
という理由で、C案が好きです。
でもロゴはD案のように左上かまたは右上、いずれにしても一番上に
あった方がすてきな気もするし。
また自分の名前が一番上にあるっていうのもちょっと横柄な印象を
与えてしまわないかとも気になります。
その点、D案のようにロゴが一番上というのがいいような気がします。
2枚でつながるというストーリーは楽しいのですが、毎回2枚ずつ
お渡ししなければならないので、実際もらった方もその場では
楽しいのでしょうが、その後困るのではないでしょうか?
万一一方を捨てられるなどとなると、地球環境にも良くない。
キャッチコピーはD案のようにロゴの上がいい気がします。
普通の人なら、
「まったくアレコレうるさいこと言うな~」
と思うでしょうが、りつさんは普通の人じゃない。徹底的に細部までこだわる
プロだと思っているから、私も思ったことは正直に伝えることにしています。
そしてそれがまた信頼関係の源でもあると思っています。
こうして生まれたのがE案でした。

りつさんは、
> 【C案】にご意見いただいた点の修正を加え、【E案】として
> 作成いたしました。ご確認ください。
>
> 【C案】からの主な変更点は次の点です。
> <<表面>>
> ●上から、ロゴ、個人情報、会社情報という順番にしました。
>
> >でもロゴはD案のように左上かまたは右上、いずれにしても一番上に
> >あった方がすてきな気もするし。
> ●はい、私もそう感じたので変更しました。
>
> ●左揃えの文字量が多い方が収まりが良いので、
> 左揃え:ロゴ+キャッチコピー
> 右揃え:個人情報
> 左揃え:会社情報
> とし、【C案】とは左右が逆転したようなデザインです。
で、私からは、
さてとうとうE案まで来ちゃいましたね。
もしZ案まで行ったら、またA案に戻るのか、それともA’案にするのか
なんてことを心配しながら、E案見ましたが、杞憂に終わりました。
とても気に入りました。
今度の輪の配置は、機械のイメージによく合っています。
あくまでもこれは私の感覚だけの問題なんですけどね。
でも、機械を何となく連想させます。
最初の頃の案と比べると、ものすごく良くなったと私は思っています。
ありがとうございます。
そしてりつさんから、
> こんな小さなカードの中に必要な情報を盛り込みながらデザイン
> することは、正直言って難しいことでした。
> 余白の計算、文字のサイズ、間隔、情報の整理、色、etc.
> デザインの基礎を勉強できる良い機会となりました。
>
> 名刺は本人が直接手渡すツールなので、何より使う本人が堂々と
> 差し出せるデザインであることを大事にしようと感じました。
> “堂々と差し出せるデザイン” かどうかは納得できるデザインか
> どうかではないでしょうか。
>
> 名刺デザインの専門家から見たら至らない点が多いと思いますが
> “Z案まででも行きますよ~。” くらいに覚悟(?)を決めました。
>
> 今後も社長が納得して堂々と差し出せる名刺を目指しますので
> 微調整含めて気づいたことはその都度教えてください。
>
> それから、面白かったこと。
> ダンレボの頃から磯輪社長とは数々のデザインについて意見を
> 交換する機会に恵まれました。
> その中で感覚的に社長とは似通う部分があると感じていて、
> 「好き」「嫌い」「ここは良い」「これは直したい」など結構
> 感想が重複するなーと思う場面が多くありました。
>
> ですが、名刺のデザインでは「えーっ!?」という経験ができました。
> それは他ならぬ【E案】の元になった【C案】です。
>
> 「作ってはみたけどこれは無しでしょう」くらいに思っていました!
> 社長がこれを選ぶなんて。。。
>
> どうやって手直ししよう?
> としばし悩みました。
>
> が、練り直し、練り直していると意外や【E案】にたどり着きました。
> 今見ても【C案】は好きになれないのですが【E案】はスマートな
> 変身ができたと思います。
>
> 名刺のデザインを任せてくださってありがとうございました。
こうしてわが社の新しい名刺が誕生しました。
モノを作り出す喜びをしみじみ感じました。
大満足の名刺をデザインしてくれたりつさん、本当にありがとう。