
野中郁次郎さんと遠藤功さんの共著であるこの本。
実は、この本は、昨年10月に富士通総研のみなさんが私にインタビューをと
来社された時に頂いたものなんです。
「昨年10月にもらった本をやっと今頃読んだの?」
ではありません。すぐに読みました。とてもいい本だったので、
部分的に何度か読み返しているのです。
「日本はガラパゴス化している」と言われるようになって、しばらく
経ちました。一番よく取り上げられるのが、日本製の携帯電話です。
日本独自の仕様に走りすぎて、海外では誰も必要としないスペック
だらけで、海外ではまったく通用せず、世界市場でのシェアは微々たる
もの。海外メーカーに市場のほとんどを押さえられてしまった。
でも私、1年ほど前から、
「ISOWAが目指すのは『ガラパゴス』だ」
と思うようになりました。
そもそもなぜ『ガラパゴス』じゃいけないのか?
それは世界市場でメジャーなプレーヤーになれないから、売上の規模を
確保できず、負けてしまうからということだと思うのです。
それなら、なぜ売上が必要なのか?
それは過去の上げ潮時に調子に乗って、身の丈以上の供給能力を持って
しまったから、工場の稼働率を上げるために、注文がいるから。
でも自社の供給能力を満たす注文があれば、何もそれ以上の注文を無理に
取る必要は無い。『注文を金で買う』ようなバカなことはしなくていい
はずです。
また、じゃあ今突然日本の携帯メーカーが一斉に撤退したら、どうで
しょうか?
私は、おさいふ携帯とか、飛行機のチケットレス予約など、携帯で
特別なことはしていませんから、一向に構わないのですが、こういう
使い方をしている人はとても困るんじゃないでしょうか?
つまり『ガラパゴス』とバカにしているけど、それなりのファンが、
支持者が国内にはいるんです。
ISOWAはそうなりたいのです。
無理に海外のお客様のニーズに擦り寄って、自分の不得意な領域にまで
手を出し、しかし思うような成果が上げられない。
そんな風にはなりたくないのです。
それよりも国内で頼りにして下さっているお客様のために頑張りたい。
つまり『ガラパゴス』大いに結構。むしろ『ガラパゴス』を突き詰め
たいのです。
それを徹底的に突き詰めていけば、いつか逆に海外のお客様にとっても
それが新鮮に、鮮烈に見えて、評価してくれるお客様も出てくるかも
しれない。
別に世界中のすべての段ボール会社さんに気に入ってもらわなくとも、
ISOWAの技術、ヒト、会社を気に入ってくれるお客様がいれば
そのお客様のために全力を尽くす。
とことん突き詰めれば、それは海外でも魅力的なものになる。

そう『クール・ジャパン』です。
こういう私の考えと同じようなことがこの本には書かれていたんです。
「『ガラパゴス』こそ日本の『際立ち』の象徴」
「『縦の深さこそ日本の力だ』と発想を逆転させる」
「『総花』とは異なる『戦略的な総合性』」
「『つくれない』のでなく『つくらない』」
「モノや技術だけでなく『価値観』を売れ」
「顧客に対しても『最後まで面倒をみる』。
最後はそういうところで勝負がつく」
「優秀な社員はすぐに他社に引き抜かれて居着いて
くれない。一般の社員たちも、決して会社を愛して
いない」そんな会社が本当にお客様のことを思い、
最後まで面倒をみるのでしょうか?
投資家や評論家、マスコミに、軽々しく『ガラパゴス』などと言って
欲しくないですね。
『ガラパゴス』大いに結構!!
私の背中をグッと押してくれる、そんな一冊です。