
少し前に紹介した『風が強く吹いている』。
作者の三浦しをんさんって、他にどんな本を書いているのかと調べてみたら、その中に
今日紹介する『舟を編む』もありました。
この本、タイトルだけは何度も聞いたことがあったけど、タイトルからして文学的なにおいが
プンプンしました。私は、そういう類の本は好きじゃないので、ずっと敬遠してました。
しかしあの『風が強く吹いている』を書いた人が書いた本であることと、あらすじに目を
通したら、辞書編纂の物語でした。
「これって、結構面白いかも」
と思ってたら、映画にもなっていて、Amazonプライムのライブラリーにあったので、
「これはぜひ!」と見てみました。
「辞書とは、言葉という大きな海を渡る舟であり、辞書編纂は
その舟を編むこと」
ということで、『大渡海』という名前の国語辞典の編集に取り掛かります。
この『大渡海』。「今を生きる」辞書として、新語や、間違った用法も『誤用』と
して紹介するというコンセプトでスタート。
そこから完成まで15年くらいだったかな。
その間に、編集スタッフも入れ替わり、編集主幹だった教授も亡くなる。
そういう中、膨大なプロセスを経て、『大渡海』は完成する。
先日までISOWAの百周年記念誌の制作、校正を繰り返していたので、レベルは
まったく違うけど、何となく感情移入するところもありました。
本は読んでいないけど、映画としてとてもしっとりとした、ゆったりとしていて、
心がホンワカ温かくなるいい映画でした。