
レンタル中の高倉健さん主演の『単騎千里を走る』を観ました。
健さんが、いつものように不器用な男を演じていましたが、今回は珍しく
父親役だったことに驚きました。
息子の叶えたかった願いを代わりに実現しようと、老年の男が単身、
中国の雲南省の奥地へ向かいます。
当然、日本語は通じません。
ま、もともとたくさんセリフを話す役を演じることは少ない健さんだから、
それほど違和感はないのですが、それでも片言の日本語(笑)ですら通じない
のですから、普段は見ることの無い、もどかしそうな映画の中の健さんを
見るのも、なかなか楽しかったです。
素朴な映画でした。
それもそのはず、中国人の出演者は、みな、素人かそれ同然の人。
あえてそういう人を使って、中国の内陸部の僻地の素朴さを表現するという
チャン・イー・モー監督の狙いだそうです。

このほとんど日本語が話せない観光通訳。
彼は準主役ですよ。
彼は本当に観光ガイドでもあるんだそうです。
あの素朴さは、逆に演じることができないでしょうね。
でも、いい奴でした。

この子どもも。
ウンチをしているところまで撮影されています。
本当にお尻からウンチが練り出しているんですよ!
それを健さんがビデオに収める。
それを嫌がる子ども。
そして健さんが臭い、臭いと言って、鼻をつまむと、それを見てニヤっと
笑うその笑顔。
これまた実に素朴。
息子と心が通わなかった日本と中国の父親二人。
その中国人の父親の子どもと触れることによって、自分の息子とのことを
考える健さん。
健さんの映画の中でも、特に健さんのセリフの少ない映画じゃないかと
思うけど、その分、背中で語っていたかな。
ビデオだったから、おまけのインタビュー映像などが付いていて、それを
見ると、余計、この映画の良さが分かりました。
次は、『八甲田山』を観たいと思います。