
光がISOWAに入社してから、朝、時々、彼に運転手も担当させて
います。
通勤中に新聞が読めるし、光とちょっとした話もできるので、重宝して
ます。
この日は、あいにく雨が降る朝でした。
信号待ちしている時、光が、
「ワイパーどうやって動かすの?」
と聞きます。でもワイパーは動いています。
??? どういうことかと思ったら、リア・ウインドーのワイパーの
ことを言っていました。
「このクルマにはリア・ウインドーのワイパーは付いて
いないよ」
「エッ! どうして?」
「付いているのは、ワンボックス・カーとか軽自動車の
様に、独立したトランクが無く、後ろがスパッと切れた
デザインのクルマだけ。
こういう普通のセダンには付いていないの」
「どうして?」
「トランクが無いクルマは、後輪が水を跳ね上げ、リア・
ウインドーが汚れるから付いているの」
「へぇ~ でもこのクルマでも見にくいよね」
こんな話をしていて、思い知らされました。
昔は、クルマと言えばセダンが普通でした。
子どもが絵を書き出す時は、必ずボンネットがあって、人が乗るキャビンが
飛び出していて、その後ろにトランクがある、つまり凸の形に輪っぱが
付いているっていうのがクルマの絵の相場でした。
そんな時代に、リア・ウインドーにワイパーが付いているのは特別なクルマ
だけでした。
でもある時期から、日本の車のマーケットは、ワンボックスカーと軽が
主流になり、セダンはどんどん減ってしまいました。
結果、リア・ウインドーにワイパーが付いているクルマが普通になり、
付いていないクルマはむしろ珍しいってことに。
そういう時代になってから生まれてきた光たちの世代にとっては、車の
リア・ウインドーにワイパーが付いていることが当たり前なんですね。
だから今の子どもにクルマの絵を描かせたら、昔、我々が描いたこんな
形でなく、 こんなのやら、 こんな形のクルマを描くんでしょうね。
昔の当たり前が、今では「へぇ~」となってしまったのに、今でも昔が
当たり前と思い込んでいることに気付きました。
これは危険ですね。
ただ逆に「今はもう当たり前じゃない」ことを知った上で、流れに迎合する
んじゃなく、あえて昔の当たり前を追及するっていうもの『あり』じゃない
ですか。
欧米流の経営が主流の中、古き日本的経営は「へぇ~」かもしれません。
でもそうであることを十分自覚した上で、あえて古き、良き日本的経営を
追求し、極めていける、そんな会社でありたいですね。