
大学の大先輩たちが安心して、楽しく参加できる会があってもいいじゃないか
という趣旨の名古屋シニア如水会。
でもシニアだけじゃなく、若手も参加していいよという、何とも懐の深い会です。
このシニア如水会は年に一度ですが、毎回、名古屋の最も有名な料亭『か茂免
(かもめ)』で開催されます。

今回のゲスト・スピーカーは、何と大阪からやって来て下さった �如水会大阪
支部長の山本大先輩です。
この山本大先輩は �パナソニック元常務で、松下幸之助さんの幸之助流経営理念
『心に火をともす』について語って下さるということで、何が何でも聞かなきゃと
駆け付けました。

山本先輩が考える「松下幸之助が偉大なる経営者たる3つの理由」として、
・楽観論者である
・とことん聴くということも含めて説明責任を全うした
・25年を1節として、それを10世代続けることによって
250年の計を考えるという歴史的役割認識を持っていた
特に3つ目の歴史的役割認識については、
「誰でも1節しか会社に貢献できないけど、それを一生懸命やり遂げ、
次の世代へ繋いでいくと考えれば、私でも、みなさんでも、
『やってやろう!』という気持ちになるでしょ」
まじめな講和でしっかり勉強した後は、

名妓連のお姐さんたちの芸を楽しみながら、か茂免のおいしい料理を頂く懇親会へ。
ここで山本先輩が、数々の別の顔を見せてくれました。
まずは �ジャグラーの顔。
松下電送社長時代、全米のディーラーを招いてのラスヴェガスやマイアミ
でのパーティーで磨いたエンターテイナーの腕を披露してくれました。
手近にあった座布団、四角いお盆、丸いお盆などを、次々と中指一本でクルクル
回して、みんなから拍手喝采を浴びました。

次いで「物まねもやれます」と言い、何と �松下幸之助さんの物まねを聞かせて
下さいました。
時々、咳き込むところまで真似ながら、幸之助さんの講演の様子を再現してくれ
ました。
これが、驚くことに、そっくりなんです。
と言っても、誰も本物の松下幸之助さんの語り口を知らないので、「そっくり」と
いう判定の信憑性は保証できません。
でもご本人は「こんな感じでした」と言われるし、雰囲気十分でした。
まさか名古屋如水会に松下幸之助さんが舞い降りるとは思いもよりませんでした。
だって物まねもさることながら、話の内容がこれまた幸之助さんの経営哲学です
からね。
山本先輩曰く、
「如水会で幸之助さんの物まねをやったのはこれが初めて」
今日参加したメンバーは本当に得しましたね。
でもこれで終わりじゃありませんでした。何と �弁天小僧まで登場。
白波五人男の一人「弁天小僧菊之助」が歌舞伎の「青砥稿花紅彩画(あおとぞうし
はなのにしきえ)、浜松屋の場」を、割り箸を煙管代わりに演じて始めました。
そして最後の諸肌脱ぐ場面になりました。
上着を脱いで、ワイシャツの左腕の袖口のボタンを外し、右手でワイシャツの
左袖をグッと引っ張たかと思ったら、

な、な、なんと、ワイシャツの左袖がちぎれて、中から刺青の入った左腕が
飛び出て来ました。
もう会場の雰囲気は最高潮! ヤンヤ、ヤンヤの大喝采。
終了後、山本先輩のところに駆け寄って、その仕掛けをとくと拝見しました。

まずは刺青。奥様の下着を色染めしたという、奥様手作りの刺青(笑)です。
そしてワイシャツはそでぐりの部分がセロテープで仮止めしてありました。
これを山本先輩、大阪のご自宅を出る前に着込んで名古屋までやって来て下さった
そうで、
「上着を脱ぐと、ワイシャツの下から刺青が透けて見えるので、
今日はとっても暑かったけど、ずっと我慢して上着を着続けて
来たんだよ」
これぞまさに That't entertaiment!
ご自分でも、
「マネジメントでなく、エンターテイメントの腕を買われて
パナソニックの常務になった」
というお話、あながち嘘とも言えないと思わせるほどのエンターテナー振りでした。
山本先輩、耳と目、両方で勉強させて頂き、ありがとうございました。
やっぱり如水会は奥が深かった・・・